ガチ中華初心者向き・米線(ミーシエン)

グルメ

お米でできた麺とと言ったら何を連想するでしょうか。ビーフンやベトナムのフォー、ブンとかをまず思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? タイ料理が好きな方はセンレック、センミー、センヤイなどを思いつくのかもしれません。

私が最近お気に入りなのは、中国雲南省の名物米線(ミーシエン)です。中国の南の方で主に食べられますが、今は中国のどこでも食べられているようです。日本ではあまり知られていないようで、今回は米線を紹介します。

日本人の口に合う米線

米線は色々種類があるようですが、間違いなく日本人の口に合う麺だと思います。そもそも日本人の主食は米。その米から作られた麺なのですから口に合わないはずがありません。

ベトナムのフォーがツルツルしているのに対して、米線はモチモチした食感です。最近、日本で麺といえばコシが重要視されているようですが、米線を食べると麺の醍醐味はコシだけではないことを再確認します。そういえばベトナムの米の麺・ブンはフニャフニャして全く腰がなく、日本の麺にはない食感ですが、甘酸っぱいタレと食べるとクセになります。

雲南料理・過橋米線

知人の中国人に聞くと、中国人が米線と聞いて連想するのは過橋米線だそうです。それというのも有名な逸話があるからです。

清の時代、雲南省南部で科挙(今でいう公務員試験)を目指す男性が湖に浮かぶ島で勉強していたそうです。その妻は橋を渡って料理を届けていて、夫が好きな米線をいつも届けていたそうですが、届くまでに冷めてしまっていたそうです。どれだけ離れた島に住んでいたのか、とツッコミを入れたくなるところです。それはともかく、この奥様は妙案を思い付きます。鶏ガラのスープは鶏の油のため冷めにくいという特性を活かして、薄切りにした具材と米線をスープと分けて届けたそうです。食べる寸前に具と米線をスープに入れて美味しく食べたそうです。

この話、中国の検索サイト百度で調べると、いくつか説があるようですが、ほとんどは妻が夫のために工夫して作ったという点は共通するようです。

濃厚な鶏の味がする過橋米線

過橋米線が食べられるお店は都内にいくつかあるようですが、私が時々行くのは秋葉原の「過橋米線」店名に「過橋米線」の名前を使っているように看板料理は過橋米線をはじめとした雲南料理です。

この過橋米線には食べ方があるそうです。写真の通りスープと麺・具材が別々に提供されます。麺と具材をスープに入れて食べるのですが、手順としては肉からスープに入れるそうです。スープが冷める前に肉に火を入れるということなんでしょうね。

さて、肝心の味わいですが、一口目に鶏の濃厚な味わいがガツンときます。何しろ鶏と豚のスープの上を鶏油で覆っているのだから当然です。塩分も強めなのもパンチが強い理由の一つのようです。この濃厚な味ともちもちの米線の組み合わせがぴったりです。

多彩な雲南料理を楽しむ

薬膳気鍋鶏
千張肉

この過橋米線さんは、いわゆる町中華ではなく、ガチ中華の分類に入ると思いますが、昼食時の店内はお客の半分は日本人のようです。ガチ中華のお店は7、8割中国人ということが多いので、ガチ中華初心者には入りやすいお店なのではないでしょうか。

米線以外にも多彩な雲南料理が楽しめます。そもそも日本では雲南料理を食べられるお店は限られます。私も北京で食べたことがありますが、残念ながら雲南省に行く機会がなかったので本場の味を知る機会がないのですが、四川料理と違って辛くもなく、香辛料も比較的控えめなので、抵抗なく食べられます。

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独特な形をした薬膳気鍋鶏は数量限定だそうです。鶏肉と薬膳を蒸気でじっくり蒸してスープを作るそうで、味わい深い逸品。薬膳のせいか、体がポカポカする感じがします。

千張肉は見た目は豚のバラ肉の煮込みを山盛りにした感じですが、豚肉の下には高菜が盛られています。これを食べると米線よりも米が食べたくなります。

老江湖豆腐
モツ煮の雲南風

老江湖豆腐は揚げ豆腐のなかにひき肉やニラを混ぜた餃子のような具が入っていて、その上にとろみのついた雲南の味噌味のあんで味付けされています。雲南の味噌が味が新鮮で結構辛い逸品です。またモツ煮の雲南風も同系列の味わいで、味噌がモツの匂いを抑えています。

最寄駅は末広町。秋葉原・御徒町からも徒歩圏内

美味しい雲南料理を食べられる「過橋米線」さんの最寄駅は地下鉄の末広町。秋葉原と神田の中間地点にあるので、徒歩でも行けます。

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